物理を「楽しむ」
物理ショー班は、小柴ホールにて物理に関する実験ショーを行う班です。
物理と聞くと「数式ばかりで難しい」という印象を持っている方も少なくないかと思います。物理を本格的に学ぶことは確かに難しいですが、では私たちが暮らしていく上で物理は全く無関係かというとそうではありません。普段見ている数多くの自然現象、毎日使っているたくさん技術の裏には様々な物理が潜んでいます。物理ショー班では、そんな「実は身近」な物理を「見て楽しい・わかりやすい」実験を通して体感していただけるプログラムをご用意しています。今年のテーマは「波・振動」です。
波・振動
波や振動は、物理のあらゆる分野に顔を出すとても重要な現象です。波と聞くと海の波を思い浮かべる方も多いかと思います。海の波は水の振動が伝わっていく現象で、その背後には様々な物理的な要因が絡み合っており、現在も研究が続けられています。
「音」や「光」も波の一種です。音は空気の振動が伝わっていく現象であると聞いたことがある方も多いのではないかと思います。光も「電磁波」と呼ばれる波の一種で、干渉(波と波が重なって新しいパターンができる現象)や回折(壁などの障害物の背後に波が回り込む現象)が起きることが分かっています。
波や振動は最先端の物理にも登場します。2015年ノーベル賞でも話題になった「ニュートリノ振動」も振動現象の1つです。ニュートリノとは物質を作っている「素粒子」の1つで、「電子ニュートリノ」「ミューニュートリノ」「タウニュートリノ」と呼ばれる3つの種類(フレーバー)があることが知られています。あるニュートリノを観測したときに3つのうちどのフレーバーとして観測されるかは、電子ニュートリノ◯%、ミューニュートリノ◯%…というように確率的にしか決まっていません。ニュートリノ振動はその確率が周期的に変化(振動)する現象で、未解明の理論を解明する鍵になると期待されています。
物理ショーでは「波・振動」をテーマに、光・音などの身近な物理現象から最先端の研究に至るまで、実験を通してさまざまな物理の世界をご案内します。「物理なんて触れたことがない」という方はもちろん、物理を専門に勉強している方にも満足いただけるような実験をご用意して、皆さまをお待ちしております。
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