PhysicsLab. 2016 BLOG
今回のブログ記事は、少し物理のお話から離れたものです。内容は「フィードバック」について。フィードバックは、現代の科学技術で沢山の応用がなされています。もちろん、私たち真空ゆらぎ班が行っている実験も、フィードバック技術を利用していますヨ!
それでは、具体例を通して、フィードバックとは一体どういうものなのか説明していきましょう。

日本の道路の速度制限は何km/hかご存知ですか? 道路標識などによって指示がなければ、普通60km/hです。これ以上速く自動車を運転するとスピード違反になってしまいます。ですが、スピード違反が怖いからといって、ノロノロ運転をしているようでは時間が余計にかかって仕方ありません。なるべく60km/hの同じ速さで運転したいところですね。


そうはいっても、同じ速さで運転をするというのは案外難しいことだったりします。道路を進んでいると、上り坂だったり下り坂だったりで、自動車の速さが変わってしまったりするからです。


そこで、なるべく60km/hのまま走り続けるように、自動車の速さに応じてアクセルを調節したりブレーキを踏んだりするわけです。これこそが、「フィードバック」です。


もう少し抽象的な言い方をすれば、フィードバックとは、ある系の状態に対して出力される信号に応じた、適当な入力を対象にしてやることで、系の出力を制御すること。
言葉では単純ですが、案外難しいのがフィードバック。失敗すると悲惨なことになります。


初めは60km/hで走っていた自動車ですが、何らかの原因によって少し速さが遅くなってしまいました。60km/hに速さを保つため、アクセルを踏み込み加速します。ですが、あまりにも大きく加速してしまったため、60km/hが目標だったはずなのに、70km/hまで速さが上がってしまいました。


これは大変です!スピード違反で捕まってしまいます。慌ててブレーキを踏み、速さが60km/hになるよう減速を試みました。しかし、慌てていたため予想よりも減速してしまい、今度は60km/hを下回る50km/hまで速さが落ちてしまいました。


これではフィードバックの意味がありませんね。自動車の速さに応じて、上手くコントロールしないと目標の60km/hには届きません。こういった状態を発振するなどといいます。発振せずに、安定なフィードバックを行うことが大切なのです。

フィードバックについて、理解していただけたでしょうか。
五月祭当日は、実際に私たちの実験装置に利用されているフィードバックのお話も予定しています! 5/14、5/15は是非五月祭 PhysicsLab. 2016へ!
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