PhysicsLab. 2016 BLOG
2016.03.19. Sat.
Category: 超伝導班
みなさんお久しぶりです、超伝導班の2回目の投稿です!前回は超伝導がどんなものかを簡単に説明しました。しかし、どんな物質でも温度を下げていけば超伝導を示す、というわけではありません。今回はそこで具体的にPhysicsLab. 2016の実験で使用している超伝導体を紹介して、その作成風景も見ていくことにしましょう。

私たちが今回使っている超伝導体は、イットリウム系超伝導体の通称"YBCO"という、超伝導体の中でも比較的有名なものです。このYBCOはいわゆるセラミックの一種で、陶器などと同じように原材料になるものをよく混ぜて押し固めたものを長い時間焼き固めることで作られます。その作成時の様子を写真でたどってみましょう。

まずは原材料の粉末を乳鉢の中にいれてよく混ぜていきます。



均等に混ざったら、圧力をかけてペレット状(薬の錠剤のような形)に押し固めていきます。



これを電気炉の中に入れて熱していきます。熱するときの温度はおよそ900 °C、この状態にほぼ丸2日間さらします!



これで焼き固まって完成と思いきや、この状態だとあまりよく超伝導の性質を示しません。そこで、一旦ペレットになっているものを乳鉢で砕いて、それを再びよく混ぜていきます。



それを再びペレットにします。先ほどの熱する前のペレットとは色が変わっているのがわかりますか?



そして、再度電気炉の中で熱します。今度は先ほどよりも長い時間熱して、途中からは酸素も投入しながら熱していきます。詳しい説明はここではしませんが、実はこの酸素の量が超伝導が現れるかどうかに大きく関わってくるのです。こうして超伝導体が完成します!



五月祭当日にはこのように私たちが実際に作成したこの超伝導体を用いた展示も行う予定です。ぜひいらしてください。次回の更新もお楽しみに。
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