■概要
今回、私たちが製作するリニアモーターとは電磁誘導を用いて物体を加速する装置のことを言います。つまり、電流が流れている導線間に働く引力を利用した加速装置ということです。これを利用した例をしてはJR東海が建設しようとしているリニアモーターカーや、東京都の都営地下鉄大江戸線、神奈川県の横浜市営地下鉄グリーンラインなどがあり、リニアモーターを製作、研究することは社会的にも大変意味のあることであると考えられます。実際、リニアモーターは従来の加速装置(電磁気的な力を利用したものにとどまりません)に対して様々なすぐれた特徴を持っています。
(注:リニアモーターは電磁気的な力を用いて物体を浮上させる装置の名称ではありません。)
大江戸線のレール部分
(レール中央の金属が駆動装置です。)
■実験
今回の実験は以下の手順を行います。
1.コンピュータシミュレーションを利用して、製作する予定のリニアモーターの
エネルギー変換効率や加速度などを予測する。
2.シミュレーションに基づき、実際にリニアモーターを作成する。
3.作成したリニアモーターの性能とシミュレーションから得られた予測を比較し、
シミュレーションの妥当性を検証する。
■実験目的
今回は特に割合、小型の機器を製作することもあり、エネルギー変換効率を高めることに重点を置きたいと考えています。(一般に機器が大きくなり、扱えるエネルギーが大きくなるほど、エネルギー効率はよくなります)
また、実際に自分たちでコンピュータシミュレーションモデルを作成するので、このモデルが現実のリニアモーターを良く表しているのかについても比較、検討したいと思います。