計算機班

概要

 現在、計算機(=コンピュータ)は日常生活の至るところで用いられていますが、科学の世界でも様々な場面でコンピュータが用いられています。物理の世界も同様で、研究を行う上でコンピュータは欠かせないものとなっています。

 コンピュータを使えば莫大な量の数値を高速に処理したり、数式やデータを可視化したりすることができます。このような利点を活かして、私たち計算機班はコンピュータを用いた物理現象のシミュレーションを行いました。各班員の興味に応じて、
 アインシュタインの一般相対論に従う天体の運動、磁石の性質、気体分子の運動, etc.
などの題材を扱っています。

計算機の利点@ 大量・高速の計算ができる

 流体(液体や気体)の運動や多数の星が集まって球状星団になる過程などは数式が複雑すぎて「紙とペン」で解くことができません。このような場合にコンピュータは威力を発揮します。「大量」の計算を「高速」に処理できる、という利点を活かして数式を「力業」で解いてしまうことができるのです。もちろん 「力業」にも限度はあるので、より複雑な問題が解けるようになるためにも、スーパーコンピュータなどより「力」のあるコンピュータの開発が望まれています。

計算機の利点A 自由な条件で「実験」できる

 超低温、超高温、超高圧など、特殊な条件で面白い現象が見られることがよくあり、関心が持たれています。しかし、実際にこうした条件で実験を行おうとしても、費用・設備・技術・安全面などの問題で実現が難しい場合もあります。また、宇宙の星の動きなどそもそも実験することができない現象もあります。このような場合に、コンピュータでシミュレーションを行うことでどのような現象が起こるのか調べることができます。言うなれば、コンピュータの中で「実験」ができるのです。

作品紹介 ※製作中の人もいるので一部です

 @惑星の近日点移動
アインシュタインの一般相対性理論を用いて惑星の運動をシミュレーションしました。惑星が太陽に近づく位置が少しずつずれていきます。

 A気体分子の運動
多数の分子がお互いに力を及ぼしながら運動する様子をシミュレーションしました。温度を変えると分子の様子はどう変わるでしょうか?

 B電子なだれを用いた放射線検知
気体に電子をぶつけると次々と衝突が起きて、電子の数が一気に増える様子を再現しました。実際に放射線を検出する際に応用されている現象です。

Photo by Dr.Hideaki Fujiwara - Subaru Telescope, NAOJ.