■磁覚班
■概要
人間はいわゆる「五感」を持ちますが、生物の中にはほかの感覚を持つものもいます。たとえば、地球には南北方向に地磁気と呼ばれる磁場があります。そのため、生物の中には方角や地面の位置を知るために磁場を感知する能力(磁覚)を獲得したものが存在します。そこで、磁覚班は磁場を感受する「磁覚」、特に、それら生物が磁場を感知するメカニズムについて考えてみます。現状ではこのメカニズムを説明するためのモデルは沢山提唱されているものの、どれが正しいモデルなのかが分かっていません。従って、磁覚を持つ生物である走磁性細菌を捕獲し、その磁気感受性の閾値を測定することでどのモデルが正しいか調べます。
■実験
1.走磁性細菌の捕獲
[fig.1]走磁性細菌の例
[fig.1]のような走磁性細菌を捕獲します。具体的には、走磁性細菌がいるような泥水(三四郎池を予定)を採取し、下が泥水、上が水のような二層を作ります。適当な磁場をかけることで、走磁性細菌を水の層に誘起し、捕獲します。
2.磁気感受性の閾値の測定
走磁性細菌は、どんなに小さな磁場でも感じられるわけではありません。その閾値、閾値付近の挙動を調べることで磁気感受性のモデルについて考察します。
コイルに囲まれた領域で、走磁性細菌を運動させます。磁場が強いうち、細菌は磁場の変化に合わせてターンをして泳ぎます。コイルに流す電流を小さくしていくと、そのうち、この「ターン」が見られなくなるので、その時の磁場の大きさ(磁気感受性の閾値)を調べます。
■REMARK!!
・走磁性細菌の磁気感受性の閾値測定は(たぶん)世界初!!
・磁気感知のモデルは乱立状態。もしかしたらこの実験で決着がつくかも!!